"褒める"時は要注意!モチベーションを下げてしまう褒め方とは?

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アキラ
誰かを"褒める"時、誤った褒め方をしていませんか?

「子供に、もっと勉強に対するやる気を出してもらいたい」「良い仕事をしてもらうために、社員のモチベーションを高めるようにしよう」といった目的で、相手を褒めるという手法をとるのではないでしょうか。

ただ、誰かを褒めるとき、誤った「褒め方」をすると、自分の思惑とは反対に、相手のモチベーションを下げてしまうことがあるようです。

誰かを褒めるときは、やってはいけない「褒め方」をしっかり意識して、相手のやる気をそがないように注意しましょう!

"褒める"と逆効果になるケースがある

"DO SOMETHING GREAT"と書かれたイメージ画像

人から褒められるのは、基本的に誰でも嬉しいことです。
親から褒められたり、先生から褒められたり、上司や仕事仲間から認められたりすると、とても気分が良いですよね。
みなさん経験したことあるはずです。

「先生から褒められたから、明日も宿題提出するようにしよう」「普段は厳しい上司から褒められて、うれしい。会社に貢献できるように、もっと仕事頑張ろう」というように、褒められたことでモチベーションが上がることは、もちろんあります。

だからといって、相手のやる気を引き出すために、何でもかんでも褒めれば良いのかというと、そういうわけではないようです。

以下4つのケースで褒めると、逆効果になってしまうことが、心理学実験で分かっているそうです。

褒めると逆効果になるケース
  • 難易度が低い課題ができたときに褒める
  • 根拠が特に無いのに褒める
  • 一般化された褒め方をする
  • 操作的に感じる褒め方をする

難易度が低い課題が出来ても褒めてはいけない

達成することが比較的簡単な課題をクリアしたことに対して褒めることは、あまり良くありません。

誰でもできるような、簡単な課題をこなせた時に褒められると、「相手は自分の能力を低く見ている」と感じてしまうようです。

褒められているとは感じず、バカにされている・過小評価されていると感じてしまい、モチベーションが下がってしまうことが実験で示されています。

褒める根拠が特に無いのに褒めてはいけない

人は、自分の実力がどの程度のものか、何となく理解しているものです。

そのため、誰かから褒められたときに、その内容が「褒められるに値することか・妥当なことか」を判断しようとするそうです。

もし、褒められている内容が、妥当な範囲であれば、モチベーションは高まります
「この人は、自分のことを理解してくれている」と感じ、相手にもっと認めてもらいたいと感じます。

一方で、「自分がなぜ褒められているか分からない」場合、「ほめているのは、裏の理由がある」「相手は何かを企んでいるのかも」と疑念を抱き、モチベーションが下がってしまうようです。

過度に一般化された褒め方で褒めてはいけない

褒めるときは、あいまいで一般化された褒め方をしてはいけません
つまり、誰にでも当てはまるような褒め方をしてしまうと、相手のやる気を損なわせてしまいます

子供がパズルを解き終わった後に、「あなたは本当に素晴らしいですね」というような漠然とした褒め方をした場合と、「あなたは一生懸命パズルに取り組んでいましたね」と、子供の行動や成果に対して褒めた場合を比較する心理実験がありました。

その後、もう一度パズルに取り組んでもらって、子供が課題に失敗したとき行動や成果に対して具体的に褒められた子供は「モチベーションを高く維持できた」のに対して、漠然と褒められた子供は、「すぐにやる気を失ってしまった」そうです。

相手にモチベーションを維持してもらうためには、「課題解決のために行った行動」「出した結果」などの、具体的なポイントを褒めてあげることが大切です。

操作的に感じる褒め方で褒めてはいけない

2つ目と似ていますが、「褒めることで自分を思い通りに動かそうとしている」と感じられるような褒め方は良くありません。

ある心理実験によると、「成績のすばらしさを褒めて、具体的な成績の位置づけを知らせるようなフィードバック的な褒め方」をした場合は、褒められた側はモチベーションが高まったのですが、「君の成績は素晴らしいので、研究データとして使わせてもらえませんか」と、何かの意図を感じさせるような褒め言葉を使うと、相手はモチベーションが下がってしまったそうです。

褒め方次第でチャレンジを阻害してしまう

散らかったチェス盤の上に人形がいるイメージ画像

褒めることの弊害を証明する研究を、C・M・ミュラーとC・S・ドゥウェックが行いました。

褒めることの弊害を示す実験
①子供たちに、知能テストに似た「簡単な」パズル解きのテストをしてもらう

②テストが終わった後、すべての子供たちに「優秀な成績で、80%以上の正答率でした」と伝える

③ここで、子供たちは3つのグループに分けられて、追加の情報が与えられる

  • 【第1グループ】これほど成績が良いのは、「頭が良い証拠」と言われる
  • 【第2グループ】何も言われない
  • 【第3グループ】これほど成績が良いのは、「一生懸命パズルを頑張ったから」と言われる

④次に以下の2種類のパズルの特徴を説明して、どっちのパズルを解きたいか尋ねる

  1. 難しくなく、簡単に解くことができそうなパズル→頭の良さをアピールできる
  2. 難しくて解けそうもないパズル→チャレンジし甲斐がある

褒めることで起こる弊害

実験の結果は、以下のようになりました。

2回目のパズルで「簡単な」課題を選んだ比率
第1グループ 67%
第2グループ 45%
第3グループ 8%

最初のパズルを解き終わった後に、「頭の良さ」を褒められた「第1グループ」では、その後のパズルで、67%の子供たちが「簡単な」課題を選択するようになりました。

特に何も言われなかった「第2グループ」は、簡単な課題と難しい課題を選ぶ比率がほとんど半分でした。

そして、「一生懸命頑張った」ことを褒められた「第3グループ」は、なんと92%もの子供たちが、2回目のパズルでは「難しい」課題を選んだのです。

実験結果
  • 「頭の良さ」を褒める→簡単な課題を選びがちになり、チェレンジを避ける
  • 「頑張り」を褒める→難しい課題にもチャレンジする精神が身につく

子供の「頭の良さ」を褒めると、その期待を裏切りたくなくて、できるだけ自分の「頭の良さ」をアピールするようになります。
そのため、チャレンジを避け自分の能力で解ける課題を選びがちになったのです。

一方で、「頑張り」を褒められた子供たちは、その後もほとんど全員が、チャレンジする姿勢を見せました

この実験には続きがあります。
一番最初に解いたパズルよりも難しい課題を全員にやらせます。
その難易度は、誰もが「前のテストより確実に点数が下がる」と感じるほど難しいものでした。

パズル終了後、「ほとんど全員が50%程の出来だった」と伝えられます。

この後、「パズルは楽しかったか」「パズルを家に持ち帰ってやりたいか」を聞きます。

すると、最初に「頭が良い」と褒められた「第1グループ」の子供たちは、他2つのグループよりも「難しいパズル」を楽しく感じることができずパズルを家に持ち帰ってまでやろうという気持ちもありませんでした

「頭の良さ」を褒められたことで、難しい課題に対してチャレンジするモチベーションが低下したことが分かりました。

能力不足Vs.努力不足

子供たちに、難しいパズルを解くことができなかった理由を聞いてみると、「頭の良さ」を褒められた「第1グループ」の子供たちは、「自分の頭が悪いからです」と答える傾向にありました。
つまり、自分の「能力不足」のせいにしたのです。

一方、「頑張り」を評価された「第3グループ」の子供たちは、「頑張りが足りなかったから」と答えました。
自分の「努力不足」を原因に挙げる傾向が強かったのです。

能力不足Vs.努力不足
失敗を...

  • 「能力不足」のせいにする→モチベーションが低下
  • 「努力不足」のせいにする→モチベーションが持続

このことから、課題を解くことができなかったり、失敗した場合に、「努力不足」を原因にすればモチベーションは維持され「能力不足」のせいにする場合はモチベーションが低下することが分かりました。

アキラ
失敗の原因を「能力不足」のせいにすると、モチベーションが下がってしまって、新たなチャレンジや行動ができなくなってしまう!

今の自分に不満があるなら今すぐ行動するしかない

2018.04.06

誤った褒め方に注意しよう!

パズルのイメージ画像

誰かを褒めるときは、「具体的な行動」「結果」にポイントを当てて褒めるように意識しましょう。

ただなんとなく褒めてみたり、みんなに当てはまるようなことしか言わなかったりすると、相手のやる気を低下させる危険性があります。

また、「能力」を褒められた人は、その後も「能力」にしがみついてしまう傾向にあります。
そのため、失敗を避けてチャレンジしなくなってしまいます

能力ではなく、「努力」しているポイントを褒めてあげることで、相手はモチベーションを維持したまま、より難しい課題にもチャレンジするようになります。

アキラ
誰かを"褒める"とき、このポイントを意識してみよう!

【参考図書】モチベーションの新法則(榎本博明 著)