通信制大学はやめた方がいいのでしょうか?
いいえ、通信制大学はやめた方がいいという考え方は誤りです。
なぜなら、通信制大学を卒業すれば大卒の資格が手に入り、就職活動でもアピール材料になるなど、通信制大学に通うメリットがたくさんあるからです。
それではなぜ、「通信制大学はやめた方がいい」という考え方が広まっているのでしょうか?
今回の記事を読めば、そのすべてが解決します。
「通信制大学に入りたいけど周りのうわさを聞くと不安もあるな」と感じている方は、ぜひ最後までごらんください。
目次
【結論】通信制大学はやめた方が良い・意味ない?
まずは結論から。
通信制大学に通う意味はあります!
もし通信制大学が本当に意味のないものなら、
入学する学生がいなくなる→通信制大学の経営が立ち行かなくなる→通信制大学そのものが無くなる
という流れになるはず。
しかし、通信制大学は今も確かに存在しています。
通信制大学が消えることなく今もなお存在している理由は、通信制大学にはたくさんのメリットがあるからです。
「通信制大学は無駄だからやめた方がいい」というネガティブな意見だけに耳を傾けるのではなく、通信制大学ならではの良いポイントも把握しておきましょう。
アキラ
通信制大学の魅力を紹介
上記で「通信制大学に通う意味はある!」と言ったのは、それ相応の魅力があるから。
ここでは、通信制大学の魅力を紹介します。
- 学費が安い
- 基本的に誰でも入学できる(入試がない)
- 「学士」の資格が手に入る
- 全国どこからでも学習できる
- 自分のペースで学習できる
- 在学方法を選べる(正科生と科目履修生)
- 編入学できる
学費が安い
通信制大学には
学費が安い
というメリットがあります。
通学制大学の学費と比較してみましょう。
通信制大学 | 通学制大学 (国立大学) |
通学制大学 (私立大学) |
|
---|---|---|---|
入学金 | 30,000円 | 282,000円 | 230,000円 |
授業料 | 150,000円 | 535,800円 | 800,000円 |
その他費用 | 10,000円 | – | 160,000円 |
合計(初年度) | 190,000円 | 817,800円 | 1,190,000円 |
上記表の金額は
- 通信制大学と私立大学
→平均的な金額 - 国立大学
→文部科学省が定める標準額
で記載しています。
大学や学部ごとに細かい金額は異なる点にご注意ください。
通学制の大学では、入学した初年度におよそ80~150万円程度の学費が必要になります。
一方、通信制大学の初年度学費はおよそ20万円程度で済みます。
2年目以降は入学金がかからないため、授業料の約15万円しかかかりません。
通信制大学4年間の総学費よりも通学制大学の初年度学費の方が高いと考えると、通信制大学の学費がどれだけ安いかが分かると思います。
基本的に誰でも入学できる(入試がない)
通信制大学は、基本的に入学試験がありません。
そのため、
出願資格さえあれば確実に入学できる
という魅力があります。
通学制大学へ入学するには、共通テストなどを受験して全国のライバルと入学枠を競い合います。
試験の結果が悪ければ、どれだけ入りたい思いが強くても入学できません。
一方、通信制大学は不合格の心配がありません。
確実に大学へ入学したい方にとって、非常に嬉しいポイントですよね!
「学士」の資格が手に入る
通信制大学でしっかり勉強し無事卒業できれば「学士」を取得できます。
学士とは四年制大学を卒業した人が得られる資格のことであり、大卒の学歴を持っていることを意味します。
「通信制大学は良い学歴にならない」という情報がありますが、それは誤解です。
しっかり大卒の学歴が手に入るので、安心してください。
全国どこからでも学習できる
通信制大学は
全国どこからでも学習できる
というメリットがあります。
通常の大学のようにわざわざキャンパスに通わなくていいので、
- 大学周辺への引っ越し
- 通学までの時間や交通費
などが必要ありません。
ただし、通信制大学では年に数回、指定された場所(キャンパス)まで行って「スクーリング授業・面接授業」を受ける必要があります。
スクーリング授業や面接授業をサボると単位を落としてしまうので注意しなければいけません。
ちなみに、通信制大学の中にはサイバー大学のような「スクーリングも必要なく、完全オンラインで完結する」大学もあります。
自分のペースで学習できる
通信制大学は基本的に「テキスト授業」もしくは「映像型授業」を通して勉強します。
通学制大学のように、授業時間や時間割などが決まっていないので、
自分の好きな時間・好きなペースで勉強できる
という魅力があります。
企業に勤めている社会人や、大学生活以外に頑張りたいことがある(仕事やアルバイト等)学生にとって非常に助かるポイントと言えます。
在学方法を選べる(正科生と科目履修生)
通信制大学では「在学方法」を選択できます。
- 正科生
→大卒資格を目指す在学方法 - 科目履修生
→学びたい専門科目だけ履修する在学方法
→大卒資格は取得できない
「正科生」として入学した学生は、大卒資格取得を目指して勉強します。
すでに大卒資格を持っている人や、自分が学びたい科目だけを選択したい人は「科目履修生」という在学方法を選べます。
科目履修生を選択した場合、大卒資格は取得できないので注意しましょう。
編入学できる
通信制大学は「編入学できる」というメリットがあります。
編入学とは、これまで通っていた学校(大学・短大・専門学校・高専)から四年制大学へ途中入学できる制度のことです。
>> 大学編入とは?編入学するための方法や対策を経験者が解説
通信制大学の中には編入学を受け入れている大学があります。
そのため、
- 大卒の学歴が欲しい専門学生・短大生・高専生・社会人
- 別の専門科目を学びたくなった大学生
は、通信制大学へ編入することで自分の目標を達成できます。
ちなみに、通信制大学への編入は基本的に「3年次編入」なので、編入後(最短)2年間の勉強で大卒資格を取得できます。
さらに!
通学制大学へ編入する場合は編入試験に合格する必要がありますが、通信制大学は入試がないため、出願資格を満たせば誰でも編入できます。
編入できる通信制大学はどこ?
編入学を認めている通信制大学は多いです。
気になる大学があったら、資料請求して詳しいことを確認してみましょう!
通信制大学が「向いている人」の特徴
通信制大学が向いている人の特徴を紹介します↓
- 仕事などと並行して大卒資格を取得したい人
- できるだけ安い金額で大学に行きたい人
- 入試結果に左右されず「確実に」大学入学したい人
仕事などと並行して大卒資格を取得したい人
- すでに企業で働いている
- 普段は育児で忙しい
- スポーツやアーティスト活動などに時間を使いたい
といった人にとって、時間が制約される通学制大学に通うことは難しいでしょう。
学業以外に多くの時間を使いたい(使わないといけない)方は通信制大学に向いています。
通信制大学は授業の時間などが固定されておらず、自分のタイミングで勉強を進めることができるからです。
アキラ
できるだけ安い金額で大学に行きたい人
通信制大学なら、通学制大学と比較すると圧倒的に少ない費用で大卒資格を取得できます。
そのため、出来るだけ学費を抑えて大卒資格を取得したい方に向いています。
ボク自身、社会人になって「大学の学費の高さ」をより痛感しました。
学費を支払ってくれた両親には感謝しかありません。
- 家庭の事情で通学制大学の学費を支払うのは難しい
- 自分で学費を支払わないといけないけど、年間100万円ほどかかるのは高すぎる
このような方にとって、年間20万円ほどの学費で通える通信制大学は非常にありがたい存在です。
入試結果に左右されず「確実に」大学入学したい人
- 共通テストで思うような結果を出せず、大学進学が難しい
- 一般受験で大学に入れる自信がない
- 編入学を志したタイミングが遅く、出願できる大学がない
といった方にとって、通信制大学は非常に魅力的です。
なぜなら、基本的に入試がなく、出願資格を満たしていれば入学できるからです。
>> 共通テストに失敗したらどうすればいい?6つの選択肢を紹介
また、通信制大学の入学時期は「4月」と「10月」に設定されていることが多いです。
自分に適したタイミングで出願・入学できる点にも魅力があります。
通信制大学は「やめた方がいい人」の特徴
反対に、通信制大学への入学をやめた方がいいタイプも解説しておきましょう。
- 憧れの通学制大学がある人
- 大学での人間関係を重視する人
- 自分を管理して計画的に勉強できない人
憧れの通学制大学がある人
- 入学したい大学がある
- 憧れの大学に入りたい
- 学歴コンプレックスを抱えている
上記のような方は、通信制大学を選択肢に入れる意味はないでしょう。
通信制大学に入ったとしても、途中で「やっぱりあの大学に入りたかった…。どうして受験から逃げてしまったんだろう。」という気持ちが生まれ、通信制大学出の単位取得を止めてしまう可能性があります。
自分に明確な目標(目指したい大学)があるなら、その大学に入るために必要なことを考え、目標達成に向けて努力すべきです。
大学での人間関係を重視する人
- 大学に入って友達をたくさん作りたい!
- 楽しくて充実したキャンパスライフを送りたい!
と考えている人に通信制大学は向いていません。
通信制大学は基本的にキャンパスへ通学することなく、自宅で学習を進めます。
そのため、人間関係を構築する場所としては非常に不向きです。
キラキラとした大学生活に憧れを抱いているなら、通学制大学へ入学することを強くおすすめします。
自分を管理して計画的に勉強できない人
通信制大学は入試がなく基本的に誰でも入学できますが、「卒業率が低い」と言われています。
その原因として考えられるのが、
- スケジュール管理の難しさ
- モチベーション維持の難しさ
です。
仕事や育児、家事などと並行しながら通信制大学で勉強する人は、自由に使える時間を確保して単位取得を目指さなければいけません。
自分のペースで学習できるからこそ、
- 今週は仕事が忙しかったから…
- 今日勉強する予定だったけど、疲れたから明日にしよう…
のように、勉強を後回しにしてしまい、単位取得ができないというケースが起こり得ます。
また、勉強に対するモチベーションを維持することも難しいです。
通学制大学なら、自分の周りにも同じように勉強している学生がいるため、半強制的に勉強へのやる気を高めることができます。
一方、通信制大学は自宅で一人学習することが多いため、勉強を継続するハードルが高くなります。
勉強をサボっても、誰かに注意されることもありません。
このような理由から、「自分自身を管理する力が無い人」に通信制大学は向いていないと言えます。
アキラ
>> 通信制大学のデメリットは?メリットも理解して正しい選択を!
【目的別】おすすめの通信制大学を紹介
最後に、おすすめの通信制大学を目的別にご紹介します。
アキラ
オンラインで完結(通学が一切不要)する通信制大学
通信制大学は基本的に自宅学習ですが、スクーリング(面接授業)や単位修得試験を受けるためにキャンパスへ足を運ばなければいけないケースがあります。
そのため、
- 対象のキャンパスまで行くことが大変(特に地方在住の方)
- わざわざ新幹線などの交通機関やホテルなどを利用しないといけない
というケースが発生することもあります。
できるだけ通学なしで、「すべてがオンライン上で完結する」大学があれば良いですよね。
アキラ
完全に通学不要なおすすめ通信制大学は
です。
サイバー大学
出典:https://www.cyber-u.ac.jp/open_campus/
「サイバー大学」はソフトバンクグループが運営する通信制大学です。
講義の受講から単位修得試験まで、すべてが通学不要で完結します。
インターネット環境さえあればいつでも・どこでも学習できるので安心!
IT活用力やビジネス応用力など、社会に出てからも役立つ内容を学習できる点も魅力的です。
>> 公式サイトを見れば、学習できるコースや奨学金制度についても確認できます。
東京通信大学
出典:https://www.internet.ac.jp/
「東京通信大学」も、普段の授業から試験まですべてがオンライン上で完結します。
講義動画は1回15分で作られており、スキマ時間を使って勉強できるので、忙しい社会人の方でも安心です。
これまで「情報マネジメント学部」と「人間福祉学部」の2学部がありましたが、2022年4月からは「データサイエンス・社会調査コース」「総合人間コース」のが新設されます。
有名大学が運営する通信制大学
ネームバリューが高い有名大学には、通信教育課程を採用しているところもあります。
その代表と言えるのが
です。
慶応義塾大学 通信教育課程
出典:https://www.tsushin.keio.ac.jp/
慶応義塾大学には通信教育課程が設置されています。
学べる学部は「文学部」「経済学部」「法学部」の3つで、通学制で教えている教員の講義を受講できる点が魅力的です。
公式サイトで卒業までの学費シミュレーションや学習方法、学生生活例などを確認できます。
早稲田大学 人間科学部 eスクール
出典:https://www.waseda.jp/e-school/
早稲田大学の人間科学部に通信教育課程があります。
通信制大学の中では珍しく「少人数制」を採用しており、入学試験が行われます。
通信制大学は基本的に誰でも入学できるのですが、早稲田大学人間科学部のeスクールでは入試で落とされる可能性があるので注意しましょう。
2021年度の入試データを見ると、倍率は1.5倍ほどあるようです。
詳しい情報などは公式サイトで確認できます。
就職活動に強い通信制大学
「通信制大学を卒業した後はしっかり就職したい」という方にとって、就職活動に役立つ環境が整っているのかも大事なポイントです。
そこで、就職活動に強いおすすめ通信制大学を紹介します。
サイバー大学
ソフトバンクグループが運営するサイバー大学はキャリア・就職支援が充実しています。
ITエンジニアを目指す学生支援に特化した「キャリアセレクト」と連携し、IT業界に精通したアドバイザーが学生の就職活動を支援している点が非常に魅力的です。
サイバー大学はITスキル・ビジネススキルに特化したカリキュラムになっています。
そのため、社会に出てから即戦力として活躍できる学習ができる点も、他の通信制大学よりも就活が強い要因と言えます。
日本大学通信教育部
出典:https://www.dld.nihon-u.ac.jp/about/
日本大学通信教育部は就職支援制度が充実しています。
- 就職サポート室
→キャリアカウンセラーが就職活動を支援 - NU就職ナビ
→約16万件の企業情報や1万件の求人情報を検索できる日大生のための情報サイト - 就職ガイダンス
→通信教育部学部在学生を対象とした就職ガイダンス
詳しい就職支援内容や卒業生の主な就職先などは公式サイトで確認できます。
「通信制大学はやめた方が良い」に関するよくある質問
最後に、通信制大学はやめた方が良いに関するよくある質問に対して回答します。
通信制大学は学歴になる?
通信制大学を卒業することで「学士」が手に入ります。
通信制大学に行く意味はない?
通信制大学には
- 学費が安い
- 基本的に誰でも入学できる(入試がない)
- 「学士」の資格が手に入る
- 全国どこからでも学習できる
- 自分のペースで学習できる
- 在学方法を選べる(正科生と科目履修生)
- 編入学できる
のようなメリットがあるため、通う意味は十分にあります。
通信制大学はやめた方が良い・後悔するのはどんな人ですか?
- 入学したい大学がある
- 憧れの大学に入りたい
- 学歴コンプレックスを抱えている
上記に当てはまるタイプの人は、通信制大学には向いていません。
通信制大学はやめた方が良い?意味ない?|まとめ
今回は「通信制大学は意味ないのか?」というテーマで解説してきました。
通信制大学に行く意味はもちろんあります!
特に「通信制大学が向いている人」にとっては非常にありがたい存在と言えます。
通信制大学に入ろうかどうか悩んでいる方は、ぜひ当記事の内容を参考にしてみてください!
アキラ